3年前に自宅をリノベーションした際、「いつかグランドピアノを2台並べる日が来るかもしれない」とレッスン室を拡張しました。壁を取り払い新しい壁を作る大掛かりな改装工事でした。
そしてこのたびついに2台ピアノが実現。音楽スタジオを閉じて、そこのピアノを自宅に運んできたのです。
グランドピアノが2台並んだのを見た子どもたちの反応は?
部屋に入った瞬間「おー!」と後ずさりしながら驚いた様子。圧迫感に気圧され気味。
そのあとは、今までレッスンで使ってきた左側のピアノの横に私が座ってレッスンです(新しいピアノを弾きたがる子もチラホラいます)。原則は伴奏をつけたり弾いて聴かせる時だけ、右側のピアノを私が弾きます。いちいち生徒に立ってもらい交代せずにすむので、とても楽です。
2人で交互に弾くとステレオサウンドになって、豊かな音響を味わえます。違うピアノで弾くと音色が変わって、ニュアンスの違いもわかります。新しいピアノは若々しくてパワフルな音。古いほうは約半世紀を共にしたピアノで、優しくやわらかな音色、子どもに弾きやすいタッチです。
気づいたことは、楽譜が2つないと不便な点。私が2台でレッスンを受けていた時は、演奏会本番前なら私は暗譜。先生が自分のピアノに私の楽譜を置き、そこに注意を書き込むという進め方でした。先生が弾いてくれた部分を真似して演奏するには、曲が完全に頭に入っていないとなりません。音大主催の社会人講習を受講した時は、先生に同じ楽譜を渡してレッスンを受けていました。
2台のピアノのための作品に取り組むには、読譜力がついて、相手につられずにしっかり自分の演奏ができるようにならないとなりません。幼児〜小学生ができるようになるには、ある程度時間がかかります。
でもコツコツと正しい練習の積み重ねができていたら、ブルグミュラーが弾けるくらいで大丈夫。
では正しい練習とは?楽譜(情報)を自分できちんと読み、目から脳、脳から指に情報を送り、左右の指を動かして音楽にし、自分の出した音を耳で確認することが無意識にできる訓練でしょうか。途中を省略して丸暗記しただけとか、指を動かしているだけで音を聴いていないのでは、その先の段階に進めません。
急がないでじっくり。しっかりと根を張った太い幹の木を育てましょう。促成栽培のヒョロヒョロモヤシにならないようにご用心!