「読譜力について」に続いて、私の最近の悩みの種を書きます。
指づかいって大切なの?
私自身も中学生の頃、ピアノを習っている友達に「なんで先生は指づかいを注意するんだろう、弾けていれば別にいいじゃない。」と話したのを覚えています。
しかし、その友達はさらに厳しい先生の指導を受けていて、書いてある指づかいを替えて弾く場合は、替えた指番号を書いてその理由を言わないといけないルールだと。その時私は衝撃を受けました。
やがて大学生になり、合奏サークルでバッハのブランデンブルク協奏曲を練習した時のこと。はっと気づきました。指づかいの記載がなく先生の指導もない譜面の場合は、自分で考えて決めた指づかいを譜面に書き込み、その通りに弾かないとうまく弾けないのです。
それ以来、他の曲でも迷うような箇所は、指づかいをきちっと決めて書き込むようになりました。
私は長い間、指づかいに対して漫然と弾いていましたが、指づかいを守って弾くことの大切さを理解していれば、もっと上達が早かったと思います。ベートーヴェンも、甥のカールを弟子のツェルニーに預けた時「指づかいを厳しく指導してください」と手紙に書き送ったくらいです。
・・・ということで、生徒さんには、書いてある指づかいを見て弾くように指導しています。
が、それができている人は多くありません。そして私もそれほど徹底指導はしていません。ひとりひとり手の大きさが違うためにその通りに弾けなかったり、書いてある通りでなくて弾けてしまう事もよくあります。
でも、フレーズがブツブツ切れてしまう指づかい、何調を弾いているか訳がわからなくなる指づかいは注意したくなります。また和音やアルペジオ・伴奏形などは、決まった指づかいで弾くほうが楽で合理的です。行き当たりばったりでは経験の積み重ねができないため、瞬時に指が鍵盤に乗りませんよね。
結論として、指づかいには守らないとならないものと、そうでもないものが含まれていることを理解してもらえるといいですね。
一人ではなかなか直せないのが間違った指づかい。そのためにピアノ講師がいますので、よかったらご利用ください。あくまでもピアノを楽しみつつ…。
以上、耳の痛いお話でした。