ドイツ旅行記2 ~トーマス教会、メンデルスゾーンハウス

シェアする

③トーマス教会

町のシンボル・トーマス教会は1212年に建てられただけあって、外観は古めかしいけど、中は改装されてきれいでした。

滞在中にここでコンサートを聴けるというので、勇んでチケットを買いました。1番安いチケット(といっても7,000円あまり)で、祭壇に向かってかなり後ろの方の席になりましたが、なんと演奏をしたのは後ろ側の2階の踊り場でした。つまり前を向いて座っているけど、音は後ろの頭上から聴こえてきます。姿がちらとも見えずに1時間半、こんな退屈なことってありません。しかもこの厳粛な教会の雰囲気…つらい…!

演奏自体はゲヴァントハウス管弦楽団によるすばらしいものですし、少年聖歌隊の合唱は天使の声のようでしたが、聖書を題材にしたドイツ語の歌詞がわからない私には「馬の耳に念仏」(涙)

演目はハイドンのオラトリオ「天地創造」。観光客向けのプログラムだろうと油断して調べていかなかったのが悪いのです。ドイツ人には馴染みの曲なのでしょう。でも、私は超えられない壁を感じました。これがもしバッハのオルガン曲だったら、きっと感動も大きかったと思います(パイプオルガン奏者の姿は見えないという予備知識もあり)。日本で耳にするクラシックの作曲家や作品は、かなり偏っているのかもしれません。ベートーヴェンといえば「第九」のように。ピアノ教師をしているのに、これか…と自信喪失、撃沈。

④メンデルスゾーンハウス

シューマンハウスから徒歩圏にあるメンデルスゾーンハウス。彼の父は裕福な銀行家で、今でいうセレブな家庭です。そんな環境の中、学問、教養、そして芸術を身につけるように育てられました。

ショパンと同じように、病弱で独身で亡くなったと思っていましたが、全く違いました!ショパンはジョルジュ・サンドと別れ、悲しみの中で亡くなりましたが、メンデルスゾーンは結婚して子どもも5人設け、幸せな家庭生活を送っていました。

バッハの復活演奏をしたり音楽学校を作ったりできたのは、恵まれた環境にいたからのこと。納得です。しかしお坊ちゃま育ちだったからでしょうか、公務が重荷になり38歳の若さで亡くなってしまいます。

メンデルスゾーンの評価はバッハやベートーヴェンほどではないし、ショパンのようにファンも多くありません。でも苦悩の深さで音楽の価値が決まる訳ではないので、私は彼にしか書けない甘くとろける胸キュンのメロディが大好きです。「ピアノトリオ・第1番」はピアニストならレパートリーに入れたい名曲。皆さんも中学校の音楽の授業でメンデルスゾーンの「バイオリン協奏曲・ホ短調」を聴いて感動しませんでしたか?