「うちで全く練習しないのですが…。」

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2学期が始まって何人かの生徒の保護者から「うちで全く練習しないのですが…。」という言葉を聞きます。発表会が終わり夏の疲れの出始める時期です。

これまで「週に一度教室に来てピアノに触れるだけでも違いますから、とにかく通わせて下さい。」とお伝えしていました。しかし、コロナ禍で停滞した分の焦りからか、皆さん結果を急ぐ心理が働いているように感じます。テレビで人気の『半沢直樹』ではありませんが、世の中白黒ハッキリを望んでいるのでしょうか。

「練習はしたくないけどやめたくない」と言って、お母様とバトル中の元気な小1Mちゃん。「次のレッスンまでに一回でいいから練習してくること。練習した日のところに色を塗ってきてね。」と『がんばりカレンダー』を渡しました。今週どうなっているでしょうか?ドキドキです。

コロナは大人だけでなく、子どもにも影響を及ぼしています。小1生は一学期の間ほとんど授業を受けていないし、お手本になる上級生とも接していません。幼稚園生活と切り替えができていなくてもおかしくありません。また学年が上がるにつれ、一学期の遅れを挽回するために、学校も塾も宿題の量がものすごくて、ピアノを練習する余裕がないようです。

早くコロナのトンネルから抜けたいですね。でも焦りは禁物。ここは半沢直樹ではなく一休さんの「あわてないあわてない、ひと休みひと休み」の精神で!

練習は、発表会前など集中して曲を完成させなくてはならない時期と、そんなに頑張らなくてもいい時期がありますよね。
いつもきちんと練習出来たらそれが一番いいのですが、実際にはなかなかそうもいきません。そんな時は気持ちが乗るように仕向けたり、ピアノを弾く楽しさを思い出させる工夫をしてみてはいかがでしょうか。

単に「繰り返し◯回!」と言って練習させるよりは、何に気をつけたらつかえずに弾けるようになるかが大切です。それに気づかせるためには『ゆっくり弾く練習』をしてほしいのです。さっさと終わらせるのが目標の練習では、間違いを繰り返し練習することになりかねません。いつもつかえてばかりで、そのうち嫌になってしまうかも知れません。『ゆっくり弾く練習』をきっちりと続けることで、つかえていた部分もひとつひとつ着実にクリアでき、それが自信と継続のパワーになるのです。

ちなみに私の場合は、得意な曲、好きな曲を一通り弾いて、気分が乗ってきてから本来の練習に入っていました。真似しなくてもいいのですが…。