ウィーン少年合唱団の今

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梅雨が明けて、子ども達にとっては夏休みが始まりました。ピアノ教室に通ってくる様子から開放感が伝わってきます。

ところで、皆さんはウィーン少年合唱団にどんなイメージをお待ちですか?

先日テレビ番組題名のない音楽会で放送された、『宮殿で育まれる!ウィーン少年合唱団の音楽会』→こちら)は、私のウィーン少年合唱団に抱いていたイメージを塗り替えるもので、とても衝撃的だったので、今回ご紹介します。

ウィーン少年合唱団と言えば、500年以上前から活動を続ける世界で最も有名な少年合唱団で、今回初来日から70周年を記念して番組が放送されたということで、今も昔と変わらず澄み切ったあの天使の歌声を聴かせる内容だろうとタカを括っていると…

並んでいる子どもたちの身長はでこぼこ、指導者マヌエル・フーバー氏は天然パーマで眼鏡姿。外国映画に出てくる若い教師風で、宮廷楽団の古風で厳格そうな年配指揮者ではありません…。

選曲にもびっくり。オーストリア第二の国歌と呼ばれる『美しく青きドナウ』は、ジャズヴァージョンにアレンジされたものでした。ワルツでなく4ビートです。ヨハン・シュトラウスも真っ青!?
フーバー氏のピアノ伴奏で、指揮者はいません。一言で言えばめっちゃ自由!

伝統を守るだけでは団員も聴衆も集まらなくなったということでしょうか…。500年の伝統ある合唱団の意外な一面が見られ、興味深かったです。

団員は9才から14才まで。アウガルテン宮殿で全寮生活を送っており、中に学校もあります。来日メンバーの中に日本人は2人。日常生活のビデオを観ると、自由時間にはゲーム機で遊んだりやサッカーもやって楽しそう。合唱練習は毎日2時間。

彼等は中学を卒業すると別々の道を進むのだそうです。インタビューでは「バトミントン選手になりたい」、「外交官になりたい」、と様々。「歌手になりたい」と言う子もいましたが、憧れの歌手はマイケル・ジャクソン!現代っ子ですね。

フーバー氏に「生徒にどのようになってほしいか?」聞くと「人間的な成長がとても大切」とのこと。こまつピアノ教室と一緒です

「歌う人は幸せな人生を送れ、人を幸せにすることもできる。自分も人も幸せにできる人になってほしい」


実は小学生の頃、ウィーン少年合唱団を描いた映画『青きドナウ』(ディズニー映画・1962年制作)に2才上の姉がハマり、子ども部屋に大きな映画のポスターが貼ってありました。ピーター少年が変声期を迎え、突然声が出なくなるシーンは衝撃的で今でもよく覚えています。

シングル盤のレコードを買ってもらい、B面『ウィーンの森の物語』と共に毎晩聴きながら眠っていました。ベッドの上で指揮者の真似をして遊んだものです。

今は朝のゴミ出しの時、隣りの小学校から聞こえてくる登校時の音楽が『美しく青きドナウ』。もう耳タコです(笑)