ピアノ事始め

先日体験レッスンにいらっしゃった女の子のお話です。

レッスン室に入る前から「ピアノはイヤ」「絶対弾かない」と言い続けています。

お母さんは、「せっかく来たのだから」と無理やりでもピアノの前に座らせようとしていましたが、私は無理強いは気が進まなかったので、その女の子になぜ嫌なのか話を聞いてみました。

その日は保育園卒園の前日で、翌々日は学童保育に入所日と、気持ち的にいっぱいいっぱいだったようです。しかも、週3回保育園の後、習い事に通っているので、これ以上はやりたくないと言っています。

せっかくここまで来てくれたんですが、ピアノに触れることなく帰してしまい、ちょっと残念でした…。

私がピアノを習い始めたのは、音楽教室に通っていた2歳上の姉が小学校に上がった時にピアノを買ってもらい、先生に出張個人レッスンに来てもらうことになったので、ついでに一緒に教わることになったのがきっかけでした(が、実は自分では何も覚えていません)。

姉が弾いているのを幼いころから傍らで見ていたのと、スタートから自宅にピアノがあったので、ピアノを弾くのに身近な環境だったことや、ピアノが好きで、難しい曲が弾けるとカッコいいなと思っていたこともあり、どんどん進みました。一方姉はあまり音楽やピアノに関心がなく、だんだんいやになってやめてしまったようです。

小5の時、テレビでやっているヤマハグランドピアノのCMに流れる曲に心を奪われて、CMが流れるとテレビの前に飛んでいきました。母に「この曲は何?」と尋ねたらベートーヴェンの「月光ソナタ」と教えてくれました。そこで親にせがんで生まれて初めてLPレコードを買ってもらい、胸を躍らせながら聴いてみると、、、なんと別の曲でした。その後ピアノの先生に歌ってみせて、ショパンの「幻想即興曲」とわかりました。

そんな母だったおかげで、練習にも一切口を出さず、のびのびとピアノを練習することができたのではと、今になって思います。

それからもショパンのエチュードやリストなど、憧れの曲が増えていき、まだ弾けない楽譜を買ってもらっては弾ける日を夢見ていました。

習いはじめのきっかけにはタイミング、本人の思い、そして環境が大切ですね。

そして、いったん始めたら短期間で結果を期待せず、少し遠くから見守ってあげてください。お母さんはサポーターです。

ある曲との出会いで、突然スイッチが入ったり、読譜ができるようになって成長します。お子さんのそんなきっかけを見過ごさないようにしたいと思っています。

ピアノを弾く姉(母の膝の上に座っているのが筆者)